売って良かった?着物を手放した人の体験談

着物を手放すならよく知っている人に相談してから!

着道楽だった大正生まれの祖母が亡くなり、母が着物の整理をしました。祖母は50歳過ぎから謡も習い、毎年発表会には百貨店で着物を新調するなど、本当に着物が好きな人でした。そのため、着物、帯、羽織り、草履、バッグ…と、随分と贅沢な品がたっぷりあったのですが、母も、当時25歳であった孫娘である私もお茶やお花といった日本の伝統文化とは無縁の生活。
同居していた築40年の家を祖母の他界を機に建て直すことにしたのもあり、箪笥一竿にも入りきらない着物は、書道師範で改まった席も多い祖母の妹に見せて欲しいものを選んでもらい、私たちようには特に思い出深い着物だけを残すことにして、残りは思い切って買取に出すことにしました。

5年後に思わぬ後悔をするハメに

着物の買取には母が対応し、私は同席しなかったのですが、業者さんが色々品定めして持ち去った後「全く、二束三文だったわ…」と母が苦々しく言っていた表情が忘れられません。高価な着物たちも、なんだかんだと難癖をつけられ、家の建て替えのために急いで処分したいという足元も見られたのでしょうか。その時点では、私も社会人になりたてで色々と忙しく「まあ、そんなもんよね、仕方ないわよね」くらいに思っていました。
ところが20代も終わりに近づき、自分でも驚いたことに「茶道」「華道」「着付け」に興味が湧き、その3つすべてのお稽古に通うことにしたのです。やはり、美しく着物を着こなしていた祖母の面影がじわじわと影響してきたのでしょうか。発表会やお茶会に「祖母の着物があったらなあ…」ととても後悔しました。
人生、何がどうなるかわかりませんし、由緒正しい古典柄の着物は決して古くなりません。サイズさえ合うなら、処分する前に身近で着物をよく知る人に相談して、価値のあるもの何枚かは是非手元に残しておくのが良いと思います。

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